金子由紀子さん著、お金に頼らずかしこく生きる買わない習慣
を読みました。
この本では、モノを全く買わないのではなく、なるべく自分で作れるものは作り、工夫して、もし買う場合はその買い物を楽しみ、お気に入りのものを買うようにしよう、といったことを提案しています。
「買わない習慣」というよりかは、「つまらないモノを買わないようにする習慣」といった方がこの本の趣旨には合います。
そして、「買わないでガマンする暮らし」ではなく、「買わなくても楽しめる質の高い暮らし」をしようと提言しています。
ちなみに、「質の高い暮らし」について以下の3点を挙げていました。
・ほんとうに必要なモノはきちんと手に入り、暮らしに要らないモノがない
・心と体が健康である
・ヒマをもてあますことも、時間に追われることもない
どれも納得できるポイントだと思いました。この三つを満たしていれば、筆者が言うように満ち足りた質の高い暮らしといっていいでしょうね。
「買わない一週間」チャレンジレポートというのがあり、3人の方が一週間の無買習慣に取り組むのですが、これがまた興味深かったです。
ただ、ここにとりあげられていた3人とも独身でしたので、できれば結婚して子持ちの方などもその無買習慣に取り組んでいるのを取り上げてくださると、より興味深いものになったのではと思います。
経済の停滞について
こういう、「買わない」という言葉を使うと、しばしば経済の停滞について反論されがちです。
「買わなければ(お金を使わなければ)、経済が停滞してしまい、回っていかないではないか。経済のためには多少ムダなモノでも、買うべきではないか。」
このことについての金子由紀子さんの主張がなかなか興味深く、強く同意できましたので取り上げたいと思います。
金子由紀子さんの主張はこうです。
お金は社会の血液のようなもの。お金をただストックしておくのは、回り回って自分たちの首を絞めることになりかねません。
しかし、だからといって、いつまでも「使うために使う」ようなお金の使い方をしていては、世の中は何も変わらないのではないでしょうか。
・・・・途中省略・・・・
経済を停滞させないために繰り返される「開発」は、地球環境を損ない、経済的に弱い立場の人たちをさらに厳しい生活においやり、死蔵品の山は、やがてゴミの山となりました。
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お陰で、私たちの社会は「経済的に」豊かになり、いろいろなモノがたくさん買えるようになりましたが、それは決して「人間的に」豊かな生活ではありませんでした。
つまらないモノで回る経済、経済のための経済、人間の幸福に益しない経済のあり方を、いいかげん見直す時期にきているのではないでしょうか?
確かにその通りですよね。
豊かな「質の高い暮らし」を送るためにも、「つまらないモノを買わないようにする習慣」を身に着け、日々の生活を工夫し、自分で作れるモノはつくる、といったことを実践していきたいと思いました。